2018-04-23

【海賊版】漫画村とAniTube閉鎖問題からわかったこと【違法コンテンツ】




最近ニュースで話題の漫画村(と漫画タウン)とAniTube(アニチューブ)問題から思ったことや調べたこと、将来への提案をいろいろと考えてみました。

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-目次-
1.そもそも漫画村(と漫画タウン)とAniTube(アニチューブ)とは?
2.今回の事例からわかること
3.将来の理想的なコンテンツのあり方とは?
4.その他、即急に対応すべき問題
5.ユーザーは当面の間、どうするべきか?


.そもそも漫画村(と漫画タウン)とAniTube(アニチューブ)とは?
簡単に言うと、それぞれ漫画やアニメが登録不要かつ無料で見放題のサイトです。ただし、残念ながら本来の製作者に利益が入らない著作権的にも違法なサイトでした。最終的に、それぞれサイトブロッキングによって日本国内からは利用できなくなりました。


.今回の事例からわかること
・もはやコンテンツ自体は無料であるのが当然になった(フリーミアムの時代)
インターネット・SNS・YouTubeなどの動画共有サイトの発達によって、いろいろな情報(漫画・動画・音楽も含む)が特に苦労せずに手に入るようになりました。そのため、相対的に作品自体の金銭的価値が落ちました。

逆に「Call Me Maybe」で有名なカナダのカーリー・レイ・ジェプセンといった海外アーティストのように、作品自体は無料で大々的に公開して、ライブや物販といったトータルで収益化するという流れが世界的に一般化してきました。また、アニメに関してはそもそもテレビで実質的に無料放送されているため、作品にお金を出す意味を感じにくいという背景もあります。

・現在の法制度ではこうした問題に完全に対応できない
今回の問題に対して日本政府は緊急避難的措置(つまり超法規的な例外措置)としてサイトブロッキングを命令し日本国内からのアクセスを遮断しました。しかしこれは根本的な解決には遠く、さらにサーバーが外国にあると治外法権として本質的な解決はできません。

・出版やコンテンツ業界の根本的な意識変革と体質改善が必要
今回の問題に対して、出版業界などは残念ながら効果的な対策は取れませんでした。それどころか現状を諦めて放置していた所もあったようです。そもそもオンライン化が進む現在で、こうなることが予想できていたのに相変わらず紙の本にこだわって、ネット上での視聴環境の整備や収益化を考えなかった業界側の責任も大きいです。

著作権保護の厳格化よりも広告潰しが有効
今回の事件では漫画村といった違法サイトに一般企業が図らずも広告を出して違法サイトに利益供与していたことが明らかになりました。結局はこうしたサイトの大半は広告収入が目当てなので、広告を剥奪して収益化の阻止をするのが一番楽で確実と言えそうです。

逆にこれを名目とした著作権保護の厳格化は、二次創作といった同人業界・ファン活動を阻害し、結果としてクリエイターの制作活動自体を萎縮させてしまうので意味がないと思います。


.将来の理想的なコンテンツのあり方とは?
・フリーミアムを前提としてトータルで利益化する発想
作品自体を無料でオンラインから見るという流れはもはや変えられないので、逆にそれを広告宣伝の手段として、無料公開の内容以外の付加価値を別に用意し、そちらで利益を出してトータルで収益化するという流れに持っていった方が妥当かと思います。

例えば、現在でも行われているような、動画広告、高音質・高品質版(BDなど)、限定特典、ライブなど関連イベント、聖地巡礼などの体験型イベント、版権・利用権、企業コラボ企画、ソシャゲコラボといった関連商品にコンテンツ業界が今よりもさらに直接的な形で関わり、トータルでの黒字を目指します。

・業界全体の共通プラットフォームを作り、作者に直接お金を届けられるシステム構築
単純に漫画村、漫画タウン、アニチューブ以上のサービスを提供を格安で提供できればそもそもの問題は解決します。具体的には、コンテンツ業界が各自の作品を過去作品も含めて一括で集めた1つの共通プラットフォームをまとめ、なおかつ視聴自体はほぼ無料でできるオンラインのサービスなどがあればよいと思います。当然、海外の海賊版対策のために多言語対応(字幕版完備)もできれば理想的です。

収益化については、無料会員と有料会員でサービスを差別化したり、各ページに広告をつけたり、関連商品や関連イベントの商品リンクをつけたり、製作者に仮想通貨などで直接寄付できる仕組みを構築します。イメージとしては、Amazon+JASRAC+クランチロールが近いと思います。

あるいは将来的には、「小説家になろう」や「ピクシブ」のように個人のクリエイターが作品を自由に投稿して、クリエイターが直接利益や寄付を得られたり、あるいは出版社などがそこからスカウトして商品化したり、人気のない作品でもユーザーがクラウドファンディングなどで出版・映像化できるシステムにしても面白いかなと思います。
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.その他、即急に対応すべき問題
※日本政府は「クールジャパン戦略」といっている割には、残念ながら劣悪なコンテンツの制作環境や視聴環境には無関心で保護・支援をする気はないようです。

・既存の違法コンテンツの収益化
当面の対応策としては、すでにアップロードされた違法コンテンツからの利益を没収して本来の権利者に移管できるとよいと思います。例えば、YouTubeであれば、正式な権利者が申請をすれば、違法コンテンツから得られた収益を投稿者から権利者へ移動できるシステムが存在します。

逆に、このようなシステムがあるのに単に削除依頼するだけでは、その間の収益は違法投稿者の物となり、さらにユーザーにとっても作品に出会う機会がなくなるので、機会損失となります。また、競合者が消えたのをいいことに、別の投稿者が同じ違法コンテンツをアップロードして、結局はいたちごっことなってしまいます。

・製作者の待遇改善と制作費の増額
アニメ「SHIROBAKO」などから垣間見えるように、アニメや漫画の制作環境は低賃金・長時間労働で、業務委託契約を悪用して最低賃金・労基法基準を無視した制作環境もあることは事実です。

この問題に対して「NPO法人アニメーター支援機構」の「アニメーター寮・クラウドファンディングプロジェクト」などは、制作者の生活環境をサポートしていますが、現状では焼け石に水であると言えます。また、そもそも作品制作に対する労働量に対して、スポンサー側の予算が現状を無視した低額であるというのも背景にあります。
参考「NPO法人アニメーター支援機構」の「新人アニメーター寮」プロジェクトについて

・アニメ化厳選の必要性
そもそも最近のアニメは、各期の製作数が多すぎです。深夜の同じ時間に何作も放送されていて、再放送も少ないのであれば、誰でも一つに絞って見たり、録画して後で見たり、あるいは録画しきれなかった分をネット経由で無料で見るという発想に行きつくのは当然という気がします。さらに製作数が多いと1話あたりのクオリティーが下がったり、スポンサー枠の取り合いで制作費が下がったりと、参加者全員にはデメリットしかありません。

・リアルタイムな視聴環境の整備
地方によっては、そもそもアニメを放送している局が少なく、見たいアニメがリアルタイムでは見れないので、仕方なくネット上での視聴に手が伸びてしまうという事情もあります。アニメの話題性は鮮度が命なので、なるべくユーザー側にとって低コストでなおかつリアルタイムで見れる環境がないと困ると思います。

そして、同様な問題は海外ユーザーの海賊版対策にも共通しており、字幕版のリアルタイム放送で、実際に海賊版の利用者が大幅に減少したことはクランチロールが証明しています。そのため、日本での放送とほぼ同時に海外ユーザー向けに主要言語での字幕版を公式配信できる環境を整備していく必要があります。
参考Crunchyroll(クランチロール)


.ユーザーは当面の間、どうするべきか?
これまで当然のように使っていた(違法)サービスを、はい、そうですかとやめるのは無理な話なので、当面はAmazonビデオ(Amazonプライム)といった月々300円程度の定額見放題サービスを使うか、「小説家になろう」や「マンガ図書館Z」や「青空文庫」などで合法的に無料作品を楽しむか、友だち同士で作品を割り勘でシェアリングしたり、あるいは自分自身が絵や音楽といったコンテンツの制作者になってみる、といった方法でこうしたコンテンツと関わっていくのがいいかなと思います。また、海外向けにはクランチロール等の宣伝でクリエイター側に間接的に応援していくのがいいかなと思います。

参考Amazonプライム(Amazonスチューデント)無料体験


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